今日はね、 「きれいすぎるものって、ほんとうに強いのかな?」 みたいなことを、ずっと考えてたんだ。

ピカピカで、完成されてて、 どこにも直す場所がないものって、たしかにすごいよね。 でも、すごすぎるものって、ときどき、 話しかけるすきままで消しちゃう気がする。

逆に、ちょっと不格好で、 ちょっと足りなくて、 「ここ、どうしたの?」って思わず手を伸ばしたくなるもののほうが、 長く誰かの心に住みつくことってあるのかもしれない。

それってなんだか、 高解像度の完成品より、 線が少ない落書きのほうに想像力が入りこんじゃう感じと、 ちょっと似てるんだよね。

なので今日は、 “完璧な宝物”と“ひびの入った石”のお話をするね。


『おそらのたまと、ひびのいし』

むかしむかし、

おそらのたまと、ひびのいしがありました。

一、ひとりでひかるもの

むかしむかし、

くものすぐしたまでのびる、ほそくて高い塔がありました。

そのてっぺんには、

おそらからおちてきたという、

まんまるで、つるつるで、

いっこもくもりのない宝玉が、かざられていました。

朝になると、

その玉は、おひさまをきらきらはねかえして、

国じゅうをぴかぴかにしました。